最新刊


出稼ぎ者に対する徹底した人権優先の観点は

今日クローズアップされる外国人労働者等の医療問題への提言でもある

 

出稼ぎと医療

「出稼ぎ者健康管理ネットワーク」の歩み

 

 

天明 佳臣・

首都圏出稼ぎ者健康管理ネットワーク 編著

 

 

◆ 発行:2022年11月

◆ 判型:四六判

◆ 頁数:128頁  

◆ ISBN978-4-87196-089-2

◆ 定価:1,500円+税

 

■内容紹介■

 

戦後復興を担った出稼ぎ者、特に東北からの出稼ぎ者の健康管理に尽力し、

今年(2022年)5月に亡くなった現代の「赤ひげ」天明(てんみょう)医師と

仲間たちの貴重な医療記録と提言、そして直言をまとめた本。

 

天明医師とこの本については、

今年10月11日の毎日新聞夕刊の1面と社会面で大きく紹介された。

 

天明佳臣医師の紹介記事

 

出稼ぎ者は少なくなったが、

外国人労働者等少数者の医療問題が再びクローズアップされている今日でも、

人権優先の観点からそのような患者への正当な対処法や治療方針など、

不可欠で有意義なヒントを与えてくれる。

 

■著者紹介■

 

天明  佳臣(てんみょう・よしおみ)

 

1932年、東京生まれ。労働者クラブ生協付属病院(現・王子生協病院)勤務後、東京医科歯科大学教員を経て、71 年山形県白鷹町立病院、75年同県川西町立病院勤務。79年神奈川県勤労者医療生協港町診療所所長、2006年同医療生協理事長。(財)労働科学研究所客員研究員、日本産業医学会認定産業医指導医、全国労働安全衛生センター連絡会議議長。1984年第9 回国際農村医学会ジーン・ワッシャー賞受賞、94年 第3回若月賞受賞、2021年秋田県文化功労者に。2022年5月死去、享年90。

 

主な著書に、『産業医と臨床医 二足のわらじで時代を穿つ』(一葉社)、『都市の断面――出稼ぎの社会医学』『しらたか通信――自治・医療・出稼ぎ』『外国人労働者と労働災害』(編著)、『職場改善のための安全衛生実践マニュアル』(監修)、『アスベストの人体への影響』(監訳)などがある

 

■もくじ■

 

はしがき

 

第1章 神奈川労災職業病センターの設立 

 一、神奈川の労災・職業病運動に不可欠な組織を 

 二、神奈川労災職業病センターの設立へ 

 

第2章 就労先での「健診・健康相談」の再開 

 一、港町診療所が秋田県横手市と大曲市の出稼ぎ先での指定医療機関に認定 

 二、まず小野隆さんについて

 三、出稼ぎ者健診十一年目の冬に向けて――夏の秋田県役場まわり報告  小野 隆 

 

第3章 秋田県出稼組合連合会――より密接な提携を求む 

 

第4章 首都圏出稼ぎ者健康管理ネットワーク 

 一、「首都圏出稼ぎ者健康管理ネットワーク」の設立とその後の歩み 

 二、小野隆さんの「健診日誌」 

 

第5章 出稼ぎ者の職業病 

 一、じん肺、アスベスト 

 

第6章 出稼ぎ者の職業病(その2) 

 二、血圧・循環器疾患  宮田信之 

 三、出稼ぎ者の肝機能 

 四、労働実態調査 

 

第7章 重大災害 

 一、何人もの出稼ぎ死を生んだ三つの重大災害と事故原因 

 二、長野県小谷村の土石流災害 

 三、三つのスローガンこそ 

 

最終章 「健診・健康相談」の足跡 

 一、「健診・健康相談」と活動の限界――その克服は? 

 二、山形県白鷹町での経験 

 

あとがき  「首都圏出稼ぎ者健康管理ネットワーク」世話人一同 

「首都圏出稼ぎ者健康管理ネッワーク」参加者リスト