たたかう性
英米文学のヒロインたちに見る反「近代」
CONFLICTS IN SEXUALITY
Women in English and American Literature
◆編 著:英米文化学会
吉田俊実、佐久田英子、君塚淳一、五味田幸夫
高取 清、須田理恵
◆発行年月日:1997/04/
◆サイズ:四六判・上製
◆ページ数:336ページ
◆ISBN:978-4-87196-009-0
◆定価:3200円+税
■内容紹介■
20世紀の入口で、途上で、
英米の作家たちは<性>をモチーフに、
「近代」という名の抑圧に抗う
<たたかう>ヒロインを次々と生み出した!
「セクシュアリティ」の自明性を疑い、「近代の構築体」としての「セクシュアリティ」を解体する歴史的な試みがあるいっぽうで、そこから開かれていくはずの多様な「セクシュアリティ」は、新しい生殖技術の展開とともに、ますます混迷を深めている。おそらく、「セクシュアリティ」の意味を問い続けること、性差という差異を
「差異」としてのみとらえ、普遍的な言説へと回収させないこと、そのような不断の
営為において、わたしたちは、「わたしのセクシュアリティ」と出会えるのであろう。(本書「まえがき」より)
●主な内容●
l —近代に抗って[20世紀後半]
セクシュアリティの解体——マードック『イタリアの女』(吉田俊実)
選択・母性性と父性性のはざまで——スタイロン『ソフィの選択』(佐久田英子)
「セックス」こそ生きてる証?——マラマッド『ドゥービン氏の冬』(君塚淳一)
ll —近代に背を向けて[19世紀末〜20世紀初頭]
視線のエロス——ワイルド『サロメ』(五味田幸夫)
生きることへのあくなき挑戦——ドライサー『シスター・キャリー』(高取 清)
死とエロスの随想—— D・H・ロレンス『恋する女たち』(須田理恵)